本日から、自動車保険が大幅に改定されます。
これは、基本的には、ほぼすべての保険会社で行われます。
自動車保険が社会的に大きな役割を果たす現代社会において、今回の改悪は、近い将来、必ず社会問題になるでしょう。
自動車保険って、なんのために加入するの?っていう根本的な問題を覆すような改悪なわけですが、何がどう変わるのでしょうか?
簡単に言うと、ノンフリート等級のルールが大幅に変わります。
ご存知の通り、自動車保険は、一年間事故がないと、等級が一つ進み、割引率がだんだん高くなります。
つまり、事故がなければ、保険料が安くなる(基本的には・・・)仕組みです。
通常、6等級で契約がスタートし、無事故で満期更改するたびに7,8,9,10・・・と等級が進みます。
逆に、事故で保険を使うと、一事故あたり、3等級ダウンし、割引率が下がるので、保険料がアップするわけです。
例えば、15等級のお客様が事故に遭い、保険を使うと、満期更改で12等級に下がります。
このため、割引率が下がり保険料が上がるわけです。
今回の改悪で、同様に15等級のお客様が事故に遭い、保険を使うと、満期更改時に12等級にダウンするのは同じなのですが、同じ12等級でも、2つの12等級に分かれることになります。
一つは、事故なし12等級。
一つは、事故あり12等級。
という具合です。
そしてこの、事故あり○等級というのが、とんでもない曲者なのです。
一事故で3等級ダウンするうえに、3年間、事故あり等級というのが適用されます。
要するに、事故に遭い、保険を使うと、とんでもない率で翌年の保険料が上がるわけです。
しかも、それが3年間続くわけです。
そうすると、何が問題か?
一つは、15万円くらいまでは、条件によっては、保険を使わない方が得ってことになりかねません。
まさに、本末転倒、何のために加入するのかわかりませんよね?
もう一つは、無保険車両の増加です。
保険を使った翌年の、高額になった保険料を払えきれない人が出てくるという問題です。
はじめに書いたように、これは、近い将来、確実に社会問題になるでしょう。
今回の改悪は、損害保険会社が抱える自動車保険の慢性的な収支バランスの悪さの改善が狙いです。
その理由として、
修理代の高騰
高齢者の事故の増加
を上げています。
しかし、何度も言いますが、問題は、相変わらずの保険会社の高コスト経営にあります。
地方の保険会社の支社などは、まわりの地元企業に比べたらはるかに高い給与体系は相変わらずです。
さらに、代理店に仕事をふり、リストラをすすめるのかと思いきや、相変わらずどう見ても不要な人員が配置されています。
今回の改悪は、料率算定会の計算に基づく改定だといいますが、今や料率算定会は、保険会社の言いなり機関にすぎません。
前述したような、社会問題をはらんでいるにもかかわらず、身を切ることなく保険会社の都合で、実質値上げの改悪。
社会問題になった時、その責任は、いったい誰がとるのでしょうか?