弊社の、「営業日誌」においても取り上げましたが、
自動車保険の実質値上げに関し、ここへきて多くのメディアが取り上げ始めました。
中には、非常に乱暴ながら、
「自動車保険が10月1日から値上げ」
と、まるで、小麦やバターの値上げと並列で取り上げているものもあります。
自動車保険が、どう変わったか?
については、過日1日のブログをご覧いただくとして、
あまりにも目に余る記事を見つけたので、個人的見解として反論します。
具体的に、どのメディアが取り上げたのか明言は避けますが、一部の週刊誌としておきます。
さて、この記事がどう間違っているのか?
要約すると、
1.保険会社の査定が甘いために支払い保険金が高い
2.そのために事故率が悪化している
3.これが、保険料値上げの原因である
という記事です。
全く間違いとは言いませんが、一部反論しますと、
保険会社が、詳細な査定もすることなく、写真見積もりのみで保険金を支払っている・・・
そんな時代は、とうに終わっています。
確かに、保険事故で、修理工場が潤ってきた歴史はあります。
さらに、現在でも、保険事故で儲かることがないわけではありません。
しかし、現在では、保険会社の査定は相当厳しくなっています。
弊社で、よく利用させていただく塗装屋さんは、
「見積もりを出して、一回で通ることは、ほとんどなくなった。」
と、嘆いておられました。
フェンダー一枚の塗装価格が、一時期の半値近くになっているそうです。
なぜか?
保険会社が値切ってくるからだそうです。
見積もりを出して、OKしたにもかかわらず、支払いになって値切られることさえあるそうです。
そして、一度下げた価格はあげられるわけもなく、
下がっていく一方なんだそうです。
そして、保険会社が強引に勧めているのが、
「認定工場」
的なシステムです。
保険会社が信頼する工場(言いなりになる工場)を集めて、
無料代車
工賃10%オフ
などと、約束させて、それらの工場に入庫させるように仕向けるわけです。
こうして、保険会社は、躍起になって支払保険金の削減に取り組んでいます。
つまり、上述のような、保険金の垂れ流しなんてのは、
はるか昔の話です。
それよりも、なによりも、保険料を値上げせざるを得ない最大の理由は、
「保険会社の高コスト体質」
です。
町工場として、一生懸命仕事をしている板金屋さん、塗装屋さん。
彼らを泣かせ、支払い保険金を削減。
代理店の手数料はカット。
にもかかわらず、仕事量だけは、どんどん増やす。
変わらないのは、保険会社の人員と給与のみ。
保険料の値上げは、これが原因です。
取材不足の週刊誌・・・