我々、保険代理店が、この業界に入るきっかけとなるのが、
「代理店研修生制度」
です。
これは、各社呼び名は違いますが、弊社取扱保険会社である、損保ジャパン日本興亜は、
「トータルライフアドバイザー(TA)」
と呼んでいますが、古くから、研修生という呼び名が定着しています。
私も、今から20年ほど前、平成8年1月1日に、当時の安田火災海上保険に、研修生として入社しました。
当時は、3年間の研修期間中にガイドラインと呼ばれる基準があり、それをクリアすると再採用され、独立を目指すという制度でした。
保険会社は、本当に一生懸命サポートし、我々の独立に向けて色々なプログラムを提供してくれました。
24歳で入社した私には、あらゆるものが新鮮でした。
まずは、損害保険募集人資格の取得のための研修。
全国から強羅の研修所に集められ、まさに一週間缶詰め状態で資格取得のための対策の授業を受けます。
その後も、提案書の作り方だったり、商品知識、保険料の計算の仕方など、まさに代理店としての基本を叩きこまれます。
画像は、損保ジャパン日本興亜のホームページから抜粋させていただいたものですが、今も同じようにバックアップしてくれているようです。
保険会社にとっても、次代を担う代理店の育成は、重要であると認識しているのだと思います。
そういう意味では、保険会社は、早急に代理店制度に見切りをつける予定はないのでしょう。
ただし、当然ながら、入社した全員が独立できるわけではありません。
私も、静岡県内で4名が同時に入社しましたが、独立できたのは私だけです。
全国でも、約120名が入社しましたが、独立研修に参加していたのは20名くらいだったと思います。
さらに、今でも店主として代理店を経営しているのは、私の知る限り3名ほどです。
なぜ、これほどまでに独立、独立後の継続率が低いのでしょうか?
我々のころに言われていたのは、間口が広すぎて、とりあえず採用してみるという方針が失敗だったといわれました。
そのため、一時期、極端に入口の敷居を高くしました。
前職の職種だったり、転職の回数を制限することによって独立の確率を高めようとしたわけです。
これも、うまくいかなかったのか、今ではそのような話は聞きません。
現在は、やる気のある研修生が、研修期間を選べたり、代理店に就職するか独立するかを選べたり研修生制度そのものに幅を持たせているようです。
今日、研修生と話をする機会がありました。
研修生のころというのは、あらゆる不安や悩みを抱えるものです。
前述の通り、ガイドラインに達しなければ退職になります。
かんたんにいえば、クビです。
保険会社は、担当者を筆頭に、本当に親身になってバックアップしてくれます。
とはいえ、経験のない事故や、聞いたこともないような保険商品の設計など不安は絶えません。
しかし、代理店研修生は、
「独立する」
という目標があるから、頑張っていられるんだと思います。
ところが、最近の彼らの不安は、
「独立後」
にも、絶えないようです。
本当に食っていけるのか?
この不安は、個人的には衝撃でした。
私のころは、独立すれば食っていけるだけの手数料収入がほぼ約束されていましたが、今は手数料も自由化され、基準を満たさなければ相当カットされます。
これが、独立後の研修生にも適用されるのです。
だからこそ、研修制度に幅を持たせてあるのでしょうが、ならば、まず採用の段階で説明すべきでしょう。
しかし、制度は毎年のように変わり、研修生たちには、不安になるのです。
研修生期間中にガイドラインににおわれるのは、営業職である以上当たり前だと思います。
しかし、研修期間が終われば、
「あとは自分が稼いだ分だけ自分に返ってくるんだ」
という生活の基盤となる収入は約束されていてほしいものです。
とはいえ、自分の選んだ道。
全国のあらゆる保険会社の研修生のみなさん、
がんばれ!
私も負けないように頑張ります。