損害保険大手3グループは18日、2015年9月中間連結決算を発表した。今夏は台風など自然災害の被害が大きかったため、保険金の支払額が増え、東京海上ホールディングス(HD)とMS&ADHDは最終(当期)利益が大幅減益となった。売上高に当たる正味収入保険料は、10月の火災保険料引き上げ前の駆け込み需要で大幅に伸びたことから、3社とも過去最高となった。
自然災害のうち、最も各社の収益に響いたのが8月に九州地方の広範囲にわたって被害が発生した台風15号。3グループの支払総額は1255億円に達した。9月以降も北関東や東北地方で水害を引き起こした台風18号などの災害が相次いだため、3グループが4~9月期に支払った保険金総額は前年同期の約4倍の1867億円に膨らんだ。
このため、東京海上の最終利益は前年同期比40・1%減の856億円まで落ち込み、2016年3月期の通期予想を200億円下方修正して2200億円にした。MS&ADの9月中間期の最終利益も同21.6%減の860億円だった。両社が中間決算で減益となるのは3年ぶり。損保ジャパン日本興亜(SOMPO)HDは、前期に計上した約790億円分の合併費用がなくなったため、決算上は増益となった。
自然災害の発生リスクは年々高まっており、各社は10月から火災保険料を全国平均で2~4%引き上げた。さらに、将来の災害予測が難しくなったことを踏まえ、10年を超える長期契約の保険商品の販売を中止した。これが実質的な値上げとなることもあり、9月までに火災保険の駆け込み契約が急増し、各社の保険料収入を押し上げた。
自動車保険は保険料を値上げしたこともあって収入増となった。近年は事故自体も減っているため、自動車保険の保険金支払いは減少。収支は改善傾向にある。ただ、今後の保険料の値下げについては「消費税の再増税で(収支が)悪化することも想定される」(MS&AD・柳川南平専務)、「中長期的に(収支改善が)継続するなら保険料率は引き下げられる」(SOMPO・辻伸治副社長)と各社とも慎重だ。
東京海上とMS&ADは国内の生保事業や、欧米やアジアの海外子会社の業績も好調で利益に大きく貢献した。国内の自然災害リスクが高まっていることもあり、東京海上の藤田裕一常務は「今後とも(海外事業に注力することで)リスク分散を図っていきたい」と述べた。【土屋渓】
「サイコロを振って、一番多く出る目はいくつでしょう?」
この質問の答えに、いろいろ考えて、
「3かな?」
「4かな?」
などなど、いろいろな回答があります。
もちろん、正解は、
「すべて同じ。」
です。
これを、
「大数の法則」
といって、保険料の根本は、この、
「大数の法則」
をもとに決められています。
もちろん、そんな単純な話ではありませんが(笑)
弊社のお客様の社長が、よく、こう言います。
「収支が悪くなったからって、すぐに商品価格に転嫁できる業種は、保険会社だけだ。」
と。
確かに、おっしゃる通りです。
例えば、この社長が営んでいるような、
「製造業者」
が、収支が悪化したからといって、すぐに製品に転嫁できるでしょうか?
「そんなことしたら、すぐにお客様が離れてしまう。」
この社長の弁です。
でも、
「損害保険」(もしくは生命保険も)
というのは、その根本に、
「相互扶助」
という社会的役割があります。
災害にあった方を、みんなで守っていこうという役割です。
ただし、保険会社も営利追求目的企業ですから、利益を上げていかなくては株主の納得を得られません。
このジレンマの中で、保険会社は経営されていると理解していただきたいと思います。
今回の収支の悪化と、ここの所続く大規模災害で保険料はおそらく値上げトレンドが続くと思います。
「また値上げ?」
と思われるかもしれませんが、保険料の支払いは、
「相互扶助」
につながるんだと思っていただければ幸いです。
そして、保険会社には、まだまだムダをなくす努力をお願いします。